静かに忍び寄るお口の衰え

静かに忍び寄るお口の衰え

こんにちは、医療法人 野原歯科室です。

今回は、「静かに忍び寄るお口の衰え」についてお話しします。

老化に伴う衰えと聞くと、通常は足腰を思いつきますが、お口の機能も年齢とともに衰えてゆきます。お口の機能の衰えを医学的には口腔機能低下症と呼びます。

お口には食べ物を噛む、すりつぶす、飲み込む、話すといった機能があります。食べ物をしっかりと噛んだりすりつぶしたりするためには、歯が健康で痛みやグラグラがないことが大切です。

歯が抜けたりぐらぐらしていると食べ物をしっかりとすりつぶせません。また、痛みがあるとしっかりと噛むことができません。特に筋肉や脳の組織を維持するのに必要な肉類はしっかり噛めないと摂取しにくくなります。これは筋力低下の原因にもなります。

さらに唾液を分必する機能も衰えるため、お口の中が乾燥し、食べにくくなり食べやすい物ばかりを食べるようになります。また、舌の運動機能が衰えると、食べ物を飲み込むことも難しく、むせやすくもなります。

以上の状態は人にもよりますが、早いと50代から徐々に衰えがはじまりますが、80歳くらいを境に顕著になります。口腔機能の低下は低栄養につながり、脚力が落ち運動量が減少する負のスパイラルに陥る原因になります。

外へ出かける機会が減ることは社交的でなくなるため、脳への刺激が減り精神的にも老いて行くことにつながってしまします。

口腔機能については歯科医院で測定したり診断することができますので一度試しに測定してみてはいかがでしょうか?衰え防止の様々な手法もあるので、専門家にお聞きになることをお奨めします。

今回は、「静かに忍び寄るお口の衰え」についてお話ししました。意外に思われるかもしれませんが、老いの入り口はお口の機能低下から始まっていたのです。

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