虫歯じゃないのに歯が痛い その3

虫歯じゃないのに歯が痛い その3

こんにちは、医療法人 野原歯科室です。

今回は、引き続き「歯が痛いのに虫歯じゃない」についてお話しします。

 

前回と前々回で歯が痛いのに虫歯ではない症状の一つに知覚過敏や咬合性外傷があるという事をご説明しました。さらにもう一つ歯が痛くなる原因があります。それは破折です。ハセツと読みます。

歯の根っこが割れてしまい神経がむき出しになるため、強い痛みを感じます。破折は様々な原因で起こります。転倒などで強い力がかかったり、時には喰いしばりでも破折を起こすことがあります。

歯の内部の治療で柱にするコアという部分に何らかの力がかかり、てこの原理で内部から歯の根を割ってしまう事もあります。この場合、割れた以外の根に神経がまだ残っていたらやはり強い痛みを感じます。

歯根破折は状態が良ければ割れ目を接着して再植できる場合もまれにありますが、一般的には抜歯となってしまう事も多いです。歯が痛いだけなのにいきなり抜歯を告げられて驚かれるかもしれませんが、無理に残して炎症や痛みを起こすより抜歯する方が良いと判断されるケースも多くあります。

歯根破折は割れている向きによってはレントゲンにうまく写らないこともあります。細密な部分レントゲンやCTで撮影することもありますが、割れ目が目視できることもあります。

 

今回は、「歯が痛いのに虫歯じゃない」について3回に分けてお話ししました。虫歯ではないけれど歯が痛くなる症状は、歯科医院では良く遭遇する現象ではあります。

歯が痛く感じる原因は虫歯ばかりではないので、ぜひ歯科医院での診断を受けられることをお奨めします。

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